サッカーをやっていて、「どこに動けばいいかわからない」「どうすればボールを奪えるの?」と迷うことはありませんか?実は、サッカーには世界中のプロ選手や監督が大切にしている「決まりごと」があります。それが「原理原則(げんりげんそく)」です。
日本だけでなく、サッカーがとても強いスペイン、イングランド、ドイツの子どもたちも、みんなこの「魔法のルール」を勉強しています。これを覚えると、ピッチの上で次に何をすればいいか、自分ですぐに判断できるようになりますよ!
まずは覚えよう!「原理」と「原則」って何が違うの?
「原理原則」という言葉は少し難しく聞こえるかもしれませんが、実はとってもシンプルな意味があります。
原理(げんり)とは:サッカーの「絶対に変えられない決まり」
たとえば、「ゴールをたくさん決めた方が勝ち」「手を使ってはいけない(GK以外)」といった、サッカーというスポーツそのものの仕組みのことです。「お腹が空いたらご飯を食べる」のと同じくらい、当たり前のことです。
原則(げんそく)とは:原理をかなえるための「勝つためのコツ」
「ゴールを決める」という原理を助けるために、「ピッチを広く使おう」「みんなで助け合おう」といった、プレーの指針(しるべ)のことです。これは、君たちがどう動くべきかを教えてくれる「地図」のようなものです。
原理を知って、原則を使いこなすことが、サッカーが上手くなるための一番の近道です。
サッカーを動かす「4つの場面」のサイクル
サッカーの試合は、4つの場面がクルクルと回るサイクルでできています。今、自分がどの場面にいるかを見つけることが大切です。
| 場面 | どんなとき? | 目指すこと |
| 攻撃(こうげき) | 自分たちがボールを持っているとき | ゴールを決める!前に進む! |
| 切りかえ(攻→守) | ボールを取られちゃった瞬間 | すぐに取り返す!守りの準備をする! |
| 守備(しゅび) | 相手がボールを持っているとき | ゴールを守る!ボールを奪い返す! |
| 切りかえ(守→攻) | ボールを奪った瞬間 | 相手がいないうちに攻める! |
この「切りかえ」の速さが、強いチームと普通のチームの一番の差になります。世界では「3秒以内」に次の動きをすることが合言葉になっています。
攻撃のコツ:みんなでゴールを「つき破る」方法
ゴールを決めるためには、適当に蹴るのではなく、みんなで協力して攻める必要があります。
ゴールへ進む(ペネトレーション)
攻撃のときに一番大切なのは、ゴールに向かって突き進むことです。ドリブルでもパスでもシュートでもいいので、まずは一番の近道である「相手のゴール方向」を狙いましょう。
仲間を助ける(サポート)
ボールを持っている仲間が困っていたら、パスをもらえる場所に動いてあげましょう。近づきすぎず、遠すぎず、パスをもらった後に「前を向ける」場所に顔を出すのがコツです。
ピッチを大きく使う(幅と深さ)
相手がギュッと真ん中に固まっているときは、ピッチの端っこまで広がってみましょう。これを「幅(はば)」と言います。また、一番前の選手がグーッと奥に走ることを「深さ(ふかさ)」と言います。ピッチを縦と横に大きく使うと、相手の守備がバラバラになり、攻める隙間(すきま)が生まれます。
動きまわる(モビリティ)
同じ場所にずっと立っていると、相手に簡単に守られてしまいます。常に動き回って、相手を困らせましょう。自分が動くことで、仲間のためのスペースを作ってあげる「おとりの走り」も立派なプレーです。
守備のコツ:チームでボールを「狩り」に行く方法
守備は、ただゴールを守るだけではありません。自分たちから仕掛けてボールを奪いましょう。
プレスをかける(プレッシャー)
ボールを持っている相手に、素早く近づきます。相手に考える時間を与えないように、「ガツッ」と寄せましょう。ドイツでは「ボールを絶対に奪うぞ!」という強い気持ちを一番大切にしています。
カバーする
プレスに行った仲間の後ろを、もう一人が助けてあげましょう。もし一人が抜かれても、後ろに誰かがいれば安心です。これを「チャレンジ&カバー」と言い、守備の基本になります。
ギュッと集まる(コンパクト)
守るときは、みんなの距離を短くしてギュッと集まります。バラバラになっていると、相手にパスを通されてしまいます。「お団子サッカー」は良くないと言われますが、守備のときは少し集まって、相手が通る道をふさぐことが大切です。
スペインで見つけた!5つの「おトクな状況」の作り方
スペインのサッカーでは、ピッチの上で「おトクな状況(優位性)」を作ることを教えています。
- 人数のトク(数的優位): 「2対1」など、味方の人数を相手より多くすること。
- 場所のトク(位置的優位): 相手が嫌がる「魔法のゾーン」などでパスを受けること。
- 個人のトク(質的優位): 1対1に強い君が、ドリブルで勝負を仕掛けること。
- スピードのトク(動的優位): 相手よりも一歩早く動き出して、先にボールに触ること。
- 仲良しのトク(社会・情動的優位): 言葉にしなくても、仲間と心が通じ合ってすごいパスが繋がること。
特に5番目の「仲良しのトク」は、一緒に練習している君たちにしかできない強力な技です。
魔法のエリア「ハーフスペース」を知っている?
ピッチを縦に5つのレーン(道)に分けてみましょう。真ん中と、一番端っこの道の「あいだ」にある2つの道を「ハーフスペース」と呼びます。
ここは、相手のディフェンダーが「どっちが守ればいいの?」と迷いやすい不思議な場所です。このハーフスペースで前を向いてボールを持つと、シュートもパスも狙いやすくなり、一気にチャンスが広がります。
世界のサッカーをのぞいてみよう
- ドイツ: 「Funino(フニーニョ)」という、小さなゴールを4つ使った3対3のゲームをよくやります。これは、みんなが主役になってゴールを狙うためです。
- イングランド: キーパーも「11人目のフィールドプレーヤー」として、攻撃に参加します。全員で攻めて、全員で守るスタイルです。
- 日本: 「よく見て、考えて、実行する」ことを大切にしています。相手をしっかり見て、最高の判断ができる選手を目指しましょう。
ピッチで叫ぼう!魔法の言葉リスト
試合中に仲間に声をかけるときは、短い言葉で伝えましょう。
| 場面 | なんて叫ぶ? | 意味(コツ) |
| 攻めているとき | 「ひろがって!」 | ピッチを広く使おう(幅) |
| 攻めているとき | 「顔を出して!」 | パスをもらえる場所に動いて(サポート) |
| 取られたとき | 「すぐ切りかえ!」 | 3秒以内に取り返そう(トランジション) |
| 守っているとき | 「よせて!」 | 相手を自由にさせない(プレス) |
| 守っているとき | 「しぼって!」 | 真ん中を通らせない(コンパクト) |
最後に:原理原則は君の「勇気」を助けてくれる
サッカーの原理原則は、君を縛るルールではありません。どうすればいいか迷ったときに、進むべき道を教えてくれる「光」です。
練習や試合で、「あ、今は幅を取ったほうがいいな」「今はすぐに切りかえる場面だ!」と、自分自身で気づけるようになると、サッカーはもっともっと面白くなります。テクニックを磨くのと一緒に、この「サッカーの頭脳」も鍛えていきましょう。
さあ、次の試合ではどの「原則」を使って勝負しますか?君の素晴らしいプレーを楽しみにしています!


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